銀河の逃避行

今、万感の思いを乗せて汽車が行く

桃園を徘徊、台湾のJB、あるいはマイケル・ジャクソン。

台湾一周旅行1日目。日本の外に出るのは本当に久しぶり。親とは現地で合流するので、それまでは一人旅。いい大人が緊張している。

 

飛行機はエバー航空。サンリオがキャラクターとして大々的にフィーチャーされていて、個人的にはファンシー好きなので嬉しいのだが、いいおじさんがバッドばつ丸のスプーンを使うのはちょっぴり恥ずかしい。

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CAさんはこんな時期だから皆マスクをしている。CAさんだけではない、周りを見回したら9割5分の人がマスクを着用している。異様な光景だ。マスク文化のない西洋人までマスクしてるのだからよっぽどだ。

 

機内では英語、中国語、日本語のアナウンスが順に流れる。CAさんは愛想があまり良くはないが、こっちの方が世界基準に近いのかな。日本は笑顔を安売りしすぎだと思う。とかく感情労働というやつは疲れるわりに金にならないのだ。

 

だから、機内食のお茶を注ぎに来る際、無言でトレーを顔の前にヌッ、と出された時も、ああ、「カップを置け」ということね、と素直に従った。不思議と腹は立たない。

 

機内ラジオでは、アジアの音楽チャンネルがあったが、インドネシア・ロック・クラシックというチャンネルが面白そうなので聴いてみたら、なかなかイキのいいハードロックであった。ボーカルがジューダス・プリーストロブ・ハルフォードみたいな声を出していた。「sirkuit」と書かれていたが、曲名なのかバンド名なのか。

 

安物イヤホンでエンジン音うるさい中聴いたので、いい環境でもう一度聞いてみたい。

 

飛行機を降りたら、入国審査。案内板はあまり親切ではないので、こっちでいいのかな?とおそるおそる進む。荷物受け取りのベルトコンベアも沢山あるので、どの到着便のものなのかひと目では分かりにくく、迷った。

 

父と、他のツアー・メイツ達と合流。幾つかの県から10数名が集った。荷物受け取りに手間取った私が一番最後であった。国内外問わず、私のぽんこつぶりは発揮されてしまうようだ。

 

桃園、という美しい名前の土地に飛行場はある。旅行会社は、ツアー1日目は移動にのみ専念、という思惑らしく、観光はせず、桃園のホテルにチェックイン&おまえにチェックイン

 

慣れてないこともあり、移動だけでかなり疲れた。過緊張で頭も少し痛む。余裕あるスケジュールをした旅行会社の配慮に感謝。

 

だが、台湾時間でまだ昼下がりである。少しでも観光をしたいではないか。頑張れば台北に行けたりするのかな?と考えたけど、30kmくらい離れてるらしく、断念。

 

ホテルからちょっと歩いたところに繁華街があった。異国に来たな、と感じるのは車の右側通行と、ゆるくしか守られていない交通ルール。2度くらい轢かれかけた。信号は目安程度。自分の目でちゃんと確認しないと渡るべきではない。

 

もう一つ、異国感を感じるのは、色んな匂いの刺激。セブンイレブンファミリーマートなどのコンビニがあるが、店内の匂いが日本のものとはまるで違う。おでんも置いてたりする。おでんに使ってるということはないと思うが、店内は八角のような甘い香辛料の匂いがした。

 

街中の匂いも刺激的。香辛料や煮込みの匂い、下水や線香の匂い。色んな匂いが渾然一体となって嗅覚を刺激する。決して悪い心地ではない。

 

 

大昔、韓国に行った時は、街中を覆うにんにくの香りが印象的だった。日本の空港に帰ったら、なんの匂いがするだろうか。案外カレーかもしれないな。

 

見たことのないフルーツが安くで売っている。なんの果物だろう?南国だけあって、果物の種類が豊富だ。

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蓮霧というらしい。

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こちらはインドナツメ。

 

写真は撮り忘れたが、釈迦というフルーツが結構な高値で売っていた。螺髪みたいだから、釈迦なのかな?かなり美味しくて、人気らしい。ツアー中にチャンスがあれば食べよう。

 

小さな店で、40元を支払ってパールミルクティー(タピオカミルクティー)を飲む。おばさんには英語も日本語も通じなかったので、翻訳アプリがかなり役立った。甘さ控えめにしてもらったが、かなりの量でもてあました。お腹いっぱい。

 

台湾データのWi-Fiは空港から使っているが、不足なく使えている。方向音痴なので、マップアプリは重宝する。

 

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夜市が始まろうとしていた。大園夜市というところ。階段状の台にたくさん空のペットボトルを並べているのは、射的かな。

 

お腹はタピオカで満たされていたが、好奇心から焼売みたいな「一口煎餃」というやつを注文。

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飛び切りうまくもなく、まずくもなく。まあまあ。

 

島風お好み焼きみたいな薄い生地に肉を乗せたものもあったが、そっちにすれば良かったかな。

 

ホテルに帰り、バイキング。満腹に近かったので、かなり控えめの量にした。珍しい料理がいっぱい並んでただけに勿体ない気がしたが。

 

父が、テーブルに置かれた紙ナプキンを指して言う。「日本では一枚一枚取り出しやすいように少しずらして二つ折りにしてある。こういう心配りはこっちの人は思いつかないんだろう。」

 

私は「日本のダメなところは、高級な店でのみそういう細やかな心配りというやつをすればいいものを、安い店でも真似するから労働と賃金の割合がおかしなことになっている」と言った。

 

後は静かにビールを飲んだ。

 

 

TVをつけたら、台湾のジェームス・ブラウンみたいなナリの人が、ベサメ・ムーチョをかなりくどく歌っていた。

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かと思えば、マイケル・ジャクソンみたいな服を着てた。

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後ろのレコードが気になる。

 

 

 

 

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