イギリスのロックバンド、ローリング・ストーンズの曲に「黒くぬれ!」という人気の曲があり、ブライアン・ジョーンズが弾くシタールの呪術的なメロディーが印象的である。
youtube、オリジナル音源がはっつけられなかったので、ライブ映像をどうぞ。
かっこよろしい。愛する人を失って心の中真っ暗、目に入るもの全てを黒く塗りつぶしたい衝動に駆られる、みたいな意味の歌詞である。分かる、分かるよミック。そんなやけっぱちな気分の時はあるよな。
このロック史に残る名曲は、日本歌謡界にも影響を与えた。
岩崎良美の「どきどき旅行」である。
作曲の加藤和彦は、「ザ・フォーク・クルセダーズ」「サディスティック・ミカ・バンド」で活躍した「トノヴァン」の愛称を持つ才人。作詞の安井かずみはその奥さん。この方はカヴァーポップスの時代から活躍する天才作詞家。愛称「zuzu」。
で、どの辺が「黒くぬれ!」なのかというと、もうBメロがそのまんまである。お聴きいただきたい。
そっくり。
しかし、「♪どきどきよ どきどきなの 初めてのハワイ旅行」と、大好きな人とハワイに行くのが楽しみ、というまあ浮かれた気持ちを歌う歌なのだが、「黒くぬれ!」のつもりで聴いちゃうから、色彩感覚が狂わされて面白い。
あと、歌謡界とローリング・ストーンズをつなぐものといえば、やっぱりこの曲を外すわけにはいかないだろう。
西郷輝彦で、「ローリング・ストーンズは来なかった」をどうぞ。
「♪ローリング・ストーンズ、ジョン・レノン、サンタナ、シカゴ〜」
演奏がニューロックしててかっこいい。随分濃厚な味わいだな、と思ったら、これを作ったのは「夜のワグナー」こと藤本卓也。作詞も作曲も編曲も全て彼が行っている。
1973年に、ミック・ジャガーの麻薬遍歴が取り沙汰されて入国を許されず、幻と消えてしまったローリング・ストーンズの日本公演。その5ヶ月後にこのシングルは発売されている。藤本卓也にとっては曲を作ってしまうくらいの大ショックな出来事だったのだろう。
確か「タモリ倶楽部」でもこの曲が取り上げられたことがあった。「裏昭和歌謡」みたいなくくりで。
ローリング・ストーンズは結成から58年(!)経った今なお、顔がしわくちゃになりながらもロックンロールするバンドで心からの敬意に値する。そして、私の知ってるおばあちゃんは、キース・リチャーズにそっくりである。
- 価格: 3080 円
- 楽天で詳細を見る