サイケ、R&B、ロック、ラウンジ、ソフトロック、ニューロック、歌謡曲、ガレージ、ラテン、ボサノバ…なんでもござれな昭和40年代の星の数ほどあるレコードの中から、レコ屋で安くで手に入り、なおかつ踊れるシングル盤を10枚選んだのでご紹介。
1.弘田三枝子/あなたがいなくても
A面の「人形の家」がレコ大の歌謡賞に選ばれたこともあり、44.5万枚売り上げているのでレコ屋でほいほい見つかるこの盤だが、B面の「あなたがいなくても」はむちゃくちゃクールなR&B歌謡。歌謡曲にこのクールネスを上手く取り込む川口真のセンスには恐れ入る。
2.ピンキーとキラーズ/恋人の讃歌
ピンキラのノリノリなソフトロック。のちにピンキーが「おっさんたち、足手まとい!」と暴言を吐いて脱退することなど想像もできないハッピー・ソングである。ちなみに、足手まといと言われたおっさんたちがラブリーズという女性2人ボーカルを迎えて結成したニュー・キラーズの第1弾シングル「太陽に愛されたい」のシングル盤も、良く見かける上にヴォーカルのリバーブが心地よく演奏もグルーヴィーなおすすめの一枚。
3.ザ・ジャガーズ/星空の二人
グループサウンズの雄、ザ・ジャガーズによるR&B歌謡。「ヘイへヘイヘイ!」の後追いコーラスがまぶしい。ベースは江藤勲。筒美京平にこういう曲を書かせたら天下一品。どういう曲を書かせても天下一品だけど。ザ・ジャガーズ後期の「いつか誰か」というソフトロック作品も良い味わい。
4.クック、ニック&チャッキー/可愛いいひとよ
日本のディスコ黎明期から活躍していて、ディスコ文化を牽引した3人組。作・編曲はスパイダースの大野克夫で、ハイハットのクローズ音が裏拍で入るブレイクがニクい。歌い上げる系のサビも熱気むんむんで、歌いながら踊れる曲。クック、ニック&チャッキーは新宿にあった日本初のディスコ「ジ・アザー」の専属ダンサーで、元々ソウル・ブラザーズと名乗っていた。
5.いしだあゆみ/太陽は泣いている
ジャケットのサイケ文字とあゆの透き通るようなポートレイトが眩しい一枚。 チェンバロだけのイントロが、ストリングスが加わり、ドラムスが加わり、ミュートトランペットが加わって加速していき、あゆの「♪ンなーつがくるたび〜」という歌唱が重なると、否が応でも心がたぎる。
6.中村晃子/恋の冒険
中村晃子によるヒップなナンバー。妙に好きなんだ、この曲。作曲の小川寛興は、服部良一門下生。月光仮面や鉄腕アトム等のテーマ曲を多数手がけている。中村晃子のヒット曲、「虹色の湖」もこの人のペンによるもの。
7.ザ・タイガース/美しき愛の掟
ザ・タイガースの岸部シロー在籍時のシングル。1969年の4月に発売されたこの曲はもうニューロックの音である。ワウギターのイントロ。中盤からベースがうねり出し、厚いコーラスが加わり、間奏はファズギターが2本で暴れて。かっこよすぎでしょう。
8.オックス/ダンシング・セブンティーン
グループサウンズ最後の徒花、オックス。先述のザ・ジャガーズの「星空の二人」と同じ筒美ー橋本ペアによる作詞作曲。橋本淳による歌詞も「♪メガネ〜が好き」などとぶっとんでいるが、筒美京平のポップなメロディーに乗せるとこれがまた歌謡ヤングソウルの傑作となる。
9.ペドロ&カプリシャス/夜のカーニバル
デビュー曲にて55.7万枚を売り上げた「別れの朝」のB面。ボーカルは初代の前野曜子。アニメ「スペースコブラ」の歌でおなじみ。奇才かまやつひろしが作曲した、とてもクールかつグルーヴィーな名曲。フルートが入っているのがポイント高い。せわしないギターのカッティングとパタパタいってるバスドラのアンサンブルも素敵。
10.黛ジュン/ブラック・ルーム
黛ジュンは日本におけるミニスカブームの牽引者。A面の「天使の誘惑」はハワイアン歌謡というべき曲調で大ヒットした曲で、一方でB面の「ブラック・ルーム」はブラスがギラギラ鳴って、ドラムのかっちょいいブレイクがあって、素っ頓狂な奇声が入って、おまけに「リズム・アンド・ブルース」というしびれる歌詞のコール&レスポンスが最高な、ガレージR&Bとでもいうべき曲。
以上、レコード屋ですぐに見つかる踊れる和モノシングル盤10選をお届けした。
80年代シティポップがブームで価格が高騰している今、値段が落ち着いてきている昭和40年代もの(レア盤は相変わらずアホみたいな高値だが)は狙い目かもしれない………なんちゃって。流行はどうあれ、自分が好きな音を探すのが一番。
- 価格: 2805 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 2750 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 2051 円
- 楽天で詳細を見る