銀河の逃避行

今、万感の思いを乗せて汽車が行く

神がかったクオリティの昭和アニメの主題歌たち!主観で選んだ7曲を紹介。

昭和アニメの主題歌やエンディング曲に名曲は多いが、世代や地域差(受信できるテレビ局が他より限られている地域とか)によって思い入れも全く違ってくるし、好事家がわんさといるジャンルであるので、昭和アニメ名曲ランキングみたいなのを作ると、異論反論オブジェクションが矢のように降り注いでくるのは火を見るより明らか。

 

あくまでも個人的に、主観で、ひとりよがりで、独善で、昭和アニメの曲をチョイスした、というのを強い口調でお断りしつつ、僭越ながら、私ごとき若輩者が、私なんぞ出る幕ではございませんが、ご紹介したいと思う。(ここまでミノフスキー粒子をちりばめておけばターゲットにはならないだろう。そして多分ミノフスキー粒子という単語の使い方も間違っているのは薄々感じている。)

 

 

成田賢/誰がために 作詞 石森章太郎   作曲 平尾昌晃  編曲:すぎやまこういち


成田賢/こおろぎ'73「誰がために」

 

サイボーグ009第2作目のオープニング・テーマ。

 

悲壮感漂う歌詞も曲調も、全ては0分47秒の「♪死のこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜おや〜〜〜」を活かすために作られている。このブレイクにハープをグリッサンドする音を入れたのは編曲のすぎやまこういちのアイデアか。天才だ。

こおろぎ’73のますらおぶりな掛け声、成田賢の熱のこもった歌唱、アウトロのドラムのおかず、これを聞いて心がたぎらない人はいるのだろうか。

 

 

 

ヒデ夕樹/夢の舟乗り 作詞 山川啓介 作・編曲:大野雄二


「夢の舟乗り(キャプテンフューチャー)」

 

NHKのアニメ「キャプテン・フューチャー」の主題歌。大野雄二の仕事だけあって、AメロBメロはテンションコードの使い方やブラスの入れ方とか超おしゃれだが、サビになると急に曲調がヒーローアニメの主題歌らしくなってて面白い。

大野雄二の、嗜好とビジネス、どちらかに振り切れずいっそのこと両方詰め込んじゃえ、ということなのか。そのアンビバレンスが愛おしいが、嗜好パートもビジネスパートもおそろしくクオリティが高いのがすごい。

 

歌詞もすばらしくて、作詞の山川啓介ゴダイゴの「銀河鉄道999」の作詞も担当(奈良橋陽子と共同)しているが、宇宙ロマンを描かせるとピカイチの作詞家なのかもしれない。

  

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「どっちを向いても宇宙 どっちを向いても未来 どこまで行っても宇宙 どこまで行っても未来」 は名フレーズ。

歌はヒデ夕樹。日立のCMの「日立の樹(この木なんの木)」が世間的には有名。「海のトリトン」や「力石透のテーマ」もこの方。 

 

 

 

高梨雅樹/コスモスドリーム 作詞 阿木燿子 作曲 宇崎竜童 編曲 船山基紀


原大輔 コスモスドリーム 1000年女王 (高梨雅樹)

 

何が好きって、イントロが過剰なほどドラマチックで、聴くだけで目の前に銀河が開けるというか天の川に溺れるというか。作曲家がイントロをつける場合もあるし、編曲家が用意することもある。これは船山基紀の仕事だろうと思う。根拠はない。

 

 

 

 

アレアレアラレちゃん/水森亜土 こおろぎ’73 作詞 冬杜花代子 作曲 サタンタ 編曲 たかしまあきひこ


dr スランプ アレアレアラレちゃん

 

水森亜土のほよよな歌声と、んちゃ!な歌詞世界に隠されているが、これはむちゃくちゃおしゃれな曲である。冒頭のチェンバロなんかソフトロックだし、「あられんれ〜え あ〜れあれ」のときのコーラスはジャズの和声だし、ものすごい質の高さである。

作曲のサタンタって何者だ?と思いwikiったら、子門真人の芸名の1つ、とあって、いやまさかあの人が?と勘違いしそうになったが、いやそのまさかであった。「椿もとみ」名義でグループサウンズザ・タックスマン)にも楽曲提供していたりして、多才な人なんだ!これは調べて良かった。

 

編曲のたかしまあきひこは「8時だよ!全員集合」や「ドリフ大爆笑」などのBGMを手がけた人。そういえば、ドリフ大爆笑のBGM集も音源化してほしいな。全国の和モノDJがほしがると思うが。

 

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愛・おぼえていますか飯島真理 作詞 安井かずみ、作曲 加藤和彦 編曲 清水信之 


愛・おぼえてますか .flv

 

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』主題歌。

映像では宇宙にこの歌声が響き渡り、なんだかわからないけどすごそう感がすごいが、映画「未知との遭遇」の無機的なあのメロディよりもこの歌の方が宇宙とのコンタクトにはふさわしいのではないか。

かの松本隆が「なぜこの曲の作詞を僕に依頼しなかったのか」と言ったとか言わないとか。

 

 

 

堀江美都子/アクビ娘 作詞 丘灯至夫 作曲 和田香苗 編曲 和田香苗


堀江美都子 アクビ娘

 

これもおしゃれな曲。のちに小泉今日子がカバーしている。作曲者の和田香苗(男性)は、「紅三四郎」昆虫物語みなしごハッチの「ママをたずねて」などを手がけており、弟子に水木一郎冠二郎らを持つ。歌の堀江美都子はこのとき12才!

 

 

 

高橋利幸(名人)/Bugってハニー 作詞 岡かすみ 作曲 小林亜星 編曲 筒井広志


Takahashi Meijin no Bug-ute Honey anime - OP FULL

 

ファミコン全盛期に、名人、という存在がいた。高橋名人、橋本名人、毛利名人などなど。今で言うプロゲーマーみたいなものか。高橋名人はコントローラーのボタンを1秒間に16連打できる、という特技で、全国の子供たちを夢中にさせていた。ボタンの連打回数を測ることができるシュウォッチという計測器がバカ売れしたが、私も子供の頃欲しくてたまらなかった。

 

そんな高橋名人がこんなにスウィートな歌声の持ち主だとは、子供の頃は知る由もなかった。アニメ「Bugってハニー」は、高橋名人の絶頂期に作られた彼をモデルにしたアニメで、主題歌は小林亜星作曲の洗練されたナンバー。

 

 Wikipediaに面白い記述があったので、引用*1しておく。高橋名人の逮捕・死亡説について。

噂には派生種類がかなりあり、その中でも有名なのは「ゲームのコントローラーのボタンにバネを仕込んで連射速度をごまかした」というものであり、その他にも「バネを仕込んだコントローラは1回押すと4回押したことになる」、「非合法なクスリで手首を痙攣させていたのが逮捕の理由」、「そのクスリのせいで死んだ」、「連射のし過ぎでコントローラーが爆発して死んだ」など。

 

連射のし過ぎでコントローラーが爆発して死んだ」…フレーズが強い。面白すぎる。インターネットが発達してからかな、根も葉もない死亡説というものが流れなくなった。これはこれでつまらない。

 

まだまだ紹介したい昭和アニメの曲がたくさんあるが、きりがないので今回はここまで。

アニメの曲は変にタイアップせずに、世界観を下敷きにした歌を作ってほしいなあ、と今を嘆いて終わりにしよう。

 

 

 

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