銀河の逃避行

今、万感の思いを乗せて汽車が行く

中山美穂/ツイてるねノッてるね 妄想で鑑賞の仕方を間違えてしまった話

中山美穂、本人にとってはあまり愉快な歴史じゃないのかもしれないが、私の世代にとっては、やはり「毎度お騒がせします」なのである。

 

中学生の頃に再放送があり、思春期をピンク色に彩る素晴らしい性教育コメディードラマに私も夢中になった。板東英二のエアロビクス姿は今でもまぶたの裏に焼き付いており、いつでも思い返すことができる。

 

後にWANDSと組んで、「世界中の誰よりきっと」という特大ヒットを飛ばしたが、「毎度お騒がせします」は再放送だったので、私にとっては同時期に体験したミポリンだった。

 

何の疑いもなく受け入れたけど、その間には「ビーバップハイスクール」や「ママはアイドル」などの成功があって、「毎度お騒がせします」から始まった経歴は、着実に奇麗な花道に舗装されてきていて、月9のトレンディーな常連となる。中学生の私には知る由もないことだ。

 

その後、大分大人になってから「セーラー服反逆同盟」を知って、全話見てカオスの極みを味わったりして非常に感慨深い思いをすることになるが、ミポリンとは中学からの付き合いなので、どこか気になる存在であることは確かだ。

 

思春期に流行った、「WAKU WAKUさせてよ」「ツイてるねノッてるね」などはキャッチーなフレーズ、覚えやすいサビということもあって、記憶にしっかりと刻み込まれている。

 

が、きちんと歌詞を吟味したことがなかったので、epの歌詞をチェックしてみた。そこには衝撃の内容が記されていた。

 

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中山美穂/ツイてるね ノッてるね 作曲 筒美京平 作詞 松本隆 Basic arr 大村雅朗 Add. arr 船山基紀

 

 

筒美京平松本隆はご存知ゴールデンコンビ。「木綿のハンカチーフ」や「スニーカーぶるーす」など…

 

今、筒美京平Wikipedia調べたらすごいことになっている。ものすごいデータベース。これだけの質と量を生み出せるのは、ひょっとして彼はヒューメイリアンなのか。

筒美京平 - Wikipedia

 

 

で、アレンジはBasic arr 大村雅朗 Add. arr 船山基紀との表記。

二人ともものすごい職人で、

大村雅朗松田聖子の「SWEET MEMORIES」や河合奈保子の「スマイル・フォー・ミー」等手がけた曲は数知れず、

船山基紀WINKの「淋しい熱帯魚」、俺の好きな石野真子「プリティー・プリティー」もそうだ。同じく数知れず。

 

 

 

 

 

 

で、「ツイてるねノッてるね」なのだが、


中山美穂Nakayama Miho ツイてるねノッてるね【HD】【NO高画質】

 

 

かっこよい。ベースラインだけで白飯3杯いける。

サビ前の「♪女だわ」のブレイクでサビに流れ込む構成にもアガる。

 

ヒットを約束されたような楽曲だ。

 

 

 

で、歌詞なのだが、

 

 

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当然だが、その人の環境や背景によって詩の解釈はいくらでも変わるものだ

 

 

 

書き出しは、

 

「Lucky Girl…

誰かどこかで見ている

シャワーを浴びる瞬間感じたの

気のせいね

風の音」

 

 

私はこの描写で、映画の古典、「サイコ」を思い出してしまった。

 

アルフレッド・ヒッチコックの代表作で、ジャネット・リーがシャワールームで叫ぶ有名なシーンは誰しもがどこかで見たことがあるかもしれない。

 

 

サスペンス・ホラーの頭になってしまった状態でこの歌詞を鑑賞したのがいけなかったのかもしれない。そうなると冒頭の「Lucky Girl…」がまた忌まわしい意味に聞こえてくるではないか。

 

 

「Ah 濡れた髪テラスでかわかし

タオルをまいて振り向く鏡に」

 

 

もう、カメラワークさえ頭で再現できる。これは間違いなくホラー映画だ。女は振り向く。不気味な不協和音、2本のバイオリンのツーっという高い音がBGM。

 

 

振り向くとそこには鏡が

 

 

 

カメラは鏡の中の女が映る斜め横からの画角。

不協和音が急に消えて静寂

 

 

シーン…。

 

 

 

 

「見知らぬ私………女だわ」

 

 

 

 

自分しか映っていない。

私。

すっかり女になった。

 

鏡の前でおどけていくつかポージングしてみせる。

 

 

くるぞくるぞ、と思っていた観客は見事にスカされ、胸を撫で下ろす。

 

 

 

「誘いのベルが鳴ること

心で賭けてたの」

 

 

 

映画「リング」では、呪いのビデオを見ると、その1週間後ぴったりに呪いの電話がかかってくる。

 

 

 

「幸運の女神が

私に微笑むの」

 

 

 

貞子の長い黒髪の隙間からにやりと笑う唇がのぞく。

 

 

 

 

「あなたの靴の音が近くなるわ」

 

 

こつ、こつ、こつ、

 

 

こつ、こつ………

 

 

こつり………

 

 

 

 

 

 

………!

 

 

 

 

ギャーーーー!

 

 

 

という鑑賞の仕方をしてしまった、というお話。

馬鹿馬鹿しくてすみません。

 

 

つまり、タイトルは

 

 

「憑いてるね 

 

(肩の上に)乗ってるね」

 

 

 

お後がよろしいようで。

 

 

 

 

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