ポール・アンカといえば、「ダイアナ」、50年代の大ヒット曲だ。
この曲はいきなりビルボードの初登場1位に輝く。ポール・アンカ自身のペンによる曲で、シンガーソングライターのはしりとも言えるかもしれない。50年代アメリカそのもの、みたいな曲。
同じくらいの知名度で、ニール・セダカがいる。「カレンダー・ガール」「おお!キャロル」など、50年代を代表する曲を連発する。やはりこの人も作詞・作曲を自身で行う、シンガーソングライターだ。
どちらも50年代オールディーズベスト100、みたいなコンピレーションを買うと必ず入っている。
そういえば、本屋とかドライブ・インとか中古市みたいなところには、明らかに正規ルートから仕入れたものではない、怪しいパチもんのCDを売っていたりしたけど、最近見ないなあ。私は、パチもんのCDからビートルズに入門した。安くで買えたし、あれはあれでいいもんだ。
ダウンタウンの松っちゃんが、沢田研二全曲集を買って聴いてみたら、全然知らんおっさんが歌っていた、という話をしていたことがあったが、そういうまがいものはもう世の中から消えたのだろうか。 米津何某のパチモンとか、面白そうだけど。怪しげなものは全て消えゆく運命なのか。
閑話休題、ポール・アンカとニール・セダカ。この50年代アメリカン・ポップスの両巨頭、どちらも日本のミュージシャンに大きな影響を与えているが、実はどちらも日本人に曲を提供している。
例えば、ポール・アンカはフランク・シナトラに「マイ・ウェイ」を提供している(古いシャンソンナンバーにポール・アンカが英訳詞をつけたもの)。これは日本では、一時期のおじさんたちが必ずカラオケで歌って、オフィス・レディたちから白い目で見られるような曲だが、いや、いい曲だもの。コツコツ出世街道を進みあるく自分をこの曲に投影してもいいじゃない。お願いだからおじさんに歌わせてあげてくれ。
日本人への楽曲提供、という話だった。ポール・アンカは田原俊彦に楽曲提供している。それがこれ、「さらば…夏」。
あらら、たのきん活動停止か…、と冒頭の会話に聞き入ってしまったが、「さらば…夏」、トシちゃんの歌唱には若干の課題があるとしても、いい曲なのは確かだ。
朱里エイコは、単身渡米して、ラスベガスでショウを行うほどの実力派歌手。国産レア・グルーヴの最高峰の一つ、「AH SO!」など、自ら三味線を弾いてアメリカの客に大ウケだったというが、ライブ映像とか残っていないものだろうか。
そんな朱里エイコが来日中のポール・アンカに突撃し、自分の音源を聞かせたところ、気に入られて4曲プレゼントされた。そのうちの1曲がこれ、「ジョーのダイヤモンド」。
とても哀愁のある、いい曲。そして、シングルのジャケットが超かっこいい。
いい。なんでアメリカのポピュラーミュージック界で第一線で活躍したような人がこんな日本人の心を揺さぶる歌謡曲をかけるのか不思議でならない。
ちなみにこちらの方が私の好み。これもニール・セダカ作。
Mobile Suit Zeta Gundam: Hoshizora no Believe (Believe in the Starry Sky) - TV Size
鮎川麻弥「星空のBelieve」。こちらは、提供曲というわけではなく、もともとニール・セダカのアルバムに収録されていた曲に日本語詞をつけたもの。これ、超いい曲だ。
ポール・アンカとニール・セダカ。オールディーズの人、で終わらず、その後もクリエイティビティを発揮しながら、精力的に活動していたことに尊敬を覚える。あんなに何曲もヒット曲があればそこそこ食べていけるだろうに。まっこと感服いたした。
- 価格: 1980 円
- 楽天で詳細を見る
- 価格: 2193 円
- 楽天で詳細を見る