「琉球レアグルーヴ」の音源を聴いた時は軽い目眩を覚えた。発売されたのはもう15年くらい前のことだ。
60年代〜70年代の沖縄の曲をコンパイルしたCDだ。
沖縄にこんなお宝音源が眠っていたとは!と興奮するあまり、目の前には万座ビーチがどこまでも広がり、青空と椰子の木の下、ゴーヤを抱えた何人もの高気圧ガールたちが走り抜けていく幻想を見た。
なかでも屋良ファミリーズの「白浜ブルース」、「ゴーゴー・チンボーラー」、この2曲の衝撃はすごかった。
2曲とも↓の動画に収められている。
2曲とも完璧な音像…!サイケでぱやぱやなバンド演奏に女性がデュオで歌う島唄が乗って、曲が長調というのがまたいいね、沖縄音階のエキゾチックさに加え、ドラムスの手数が多いのも素晴らしいし(特に「ゴーゴー・チンボーラー」のドラムブレイクのヒップさと言ったら!)、オルガンの音がまばゆいし。赤道直下の太陽の下、浜辺で寝転んでたら見た白昼夢みたいなサウンド。
再発盤で1万円を超える値段で売ってたりするので、オリジナル盤とか手にした日にはひっくり返って痙攣を起こすかもしれない。
これ、沖縄返還前の音源で、もうこの時代のこの環境でしか出せない音だよな、と思った。まさに失われたグルーヴ。
そんな沖縄にまたまた驚かされるとは。
沖縄という文化に、ビーチボーイズ「ペットサウンズ」が出会ったとしたら。
頭の中でこの2つがミックスできるだろうか。
そんなサウンドが存在する。
驚きの映像が残されていたものだ。
素晴らしい音楽体験ができるので、ぜひご覧いただきたい。
なんと神秘的でスピリチュアルなサウンド…!これ以上にヘブンリーな曲を私は知らない。これを聴きながら目を閉じたら、極楽浄土かガンダーラの果てまでぶっ飛んでいきそうだ。
沖縄のビッグバンドが古来から伝わる民謡を演奏したら、ペットサウンズそっくりの音像になってしまった。
エム・レコードという会社から2018年にレコードが発売されている。
このレコード、再販されてまだ手に入るみたい(2020年1月23日現在)。
沖縄という土地には、まだまだ知られざるお宝音源が残っているのかもしれないと思うとわくわくする…この先どんな発掘があるのか…というか単純に沖縄行きたいなあ。