入眠前に宇宙のことをぼんやり考えることがある。意識を銀河系に飛ばすと、頭の中は輝く星座で埋め尽くされ、さながら脳内プラネタリウムだ。どっちを向いても宇宙。太陽から光線が届いてふわっと浮遊感に包まれるといつの間にか意識を失い、眠りに入っている。
入眠前の儀式のようなものだが、そのうち家庭用プラネタリウムを導入したらもっといい入眠体験ができるかもしれない、と思い購入を検討している。
宇宙のことを歌った歌謡曲は少なくない。人類が太古の昔からロマンを寄せている宇宙について、作詞家たちが題材として放っておくはずもない。今回はそんな宇宙に連れ出してくれる歌謡曲をいくつかご紹介。
山口百恵の「乙女座 宮」。作詞は阿木耀子、作曲は宇崎竜童、編曲は萩田光雄。
第2期山口百恵のメイン・ライターである阿木耀子、宇崎竜童コンビの作品。
阿木耀子が先に詩を書いて宇崎竜童が曲をつける、いわゆる「詩先」の方法で曲を作っていく共同作業だが、「少女漫画の恋人同士ね、二人の目に星が光る」こんな歌詞を先に書かれたら、宇崎竜童もキラキラした長調の曲を作らざるをえまい。
ウェディングドレスで銀河大陸を横断する鉄道旅行、てどんだけロマンチックを詰め込むのか。おじさん、卒倒しそう。
「山羊座に恋して さそり座ふって 魚座に初恋 今は獅子座のあなたに夢中よ」という星座ハラスメントも、会話のネタになる。夏生まればかりモテるのずるいよな、と。さそり座の立場も可哀想だが、言及されない他の星座はもっと可哀想だ。
「パンジー」というアイドル・グループは三井比佐子、北原佐和子、真鍋ちえみの3人からなるが、3人揃ってではなく、それぞれピンでレコードを出している。
中でも真鍋ちえみは、細野晴臣がその作品を手がけ、遊び…というか実験台というか、の対象となった。結果「うんととおく」のようなスペーシーなチル・アウトナンバーが生まれてしまった。
Chiemi Manabe - Untotooku ( 真鍋ちえみ うんととおく )
サビに多少歌謡曲らしさを忍ばせてそれなりに体裁は整えようとはしているが、こんなディープなテクノナンバー、これは果たしてアイドルが歌うべき歌だったのだろうか。
ともあれ、細野晴臣の遊び心のおかげで、宇宙感満載のこの曲を味わうことができることに感謝しなけりゃならない。
1970年代、日本に超能力ブームを巻き起こしたユリ・ゲラー。彼の真似をしてスプーンを曲げようとスプーンの柄をこすった少年少女も多かろうと思う。最近でも「ほこ×たて」に出演して絶対に曲げられないスプーンと対決したのを見た記憶がある。
歌謡曲ではなく、朗読レコードなのだが、たどたどしい日本語で超能力の極意を語り、スプーン曲げ少年少女を励ます珍盤。ユリ・ゲラー自身が詩を書いている。
インナー・スペースへの旅。
宇宙アニメの金字塔、「銀河鉄道999」。もちろんゴダイゴの歌が有名で素晴らしい曲なのだけど、ささきいさおの歌ったスリーナインも素晴らしくいい。
Galaxy Express 999 銀河鉄道999 / isao sasaki ささきいさお
作詞は橋本淳、作曲が平尾昌晃 編曲青木望。
壮大な宇宙ロマンに溢れている。これを聞くとまぶたの裏に星がきらめいて、なんだか涙が出そうになるんだよね。
リズムがSLの駆動のようにグルーヴしていて、鉄道旅行の雰囲気抜群な名曲。
では、最後に、アンドロメダの異星人、あおきあいのこちらの宇宙動画で異次元空間へトリップ。ボン・ボヤージュ!